「福島原子力発電所事故第六報」在日フランス人向けIRSN作成文書6月8日付全訳


福島原子力発電所事故
第六報 2011年6月8日

原題: Accident de Fukushima-Dai-Ichi
Bulletin d’information no.6 du 8 juin 2011

出典:
http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN_Residents-Japon_Bulletin6_08062011.pdf

この報告書は、IRSNが特別に日本在住のフランス人に向けて作成したものである。報告書は、IRSNのサイト(www.irsn.fr)で発行されている、テーマ別の最近の文書をもとにして作成されている。

  • 海洋への影響についての情報文書(2011年5月13日)
  • 地域レベルでの被爆および環境における影響についての文書およびレポート(2011年5月23日)
  • 福島第一原発事故による日本の陸地環境中の放射線汚染についての、入手可能な情報総括(2011年5月25日)
  • 2011年5月31日付け、福島第一原発施設の現状

福島第一原発に大きな変化や環境に影響をもたらすような事象がない限り、この報告書はアップデートしないものとする。

福島第一原発の事故による放射線放出により、おもに福島県、栃木県、茨城県、宮城県において、陸地・海洋の一部において放射線汚染が引き起こされた。この報告書に記載されている情報、勧告の目的は、未だ続く環境中汚染を可能な限り避ける一助となることである。

福島第一原発による、空気中への放射性物質の放出はおそらく続いているが、住民の相当な被ばくにはつながる量ではない。3月12日から23日にかけて、大気中に放出された放射性物質が拡散した後、短期的な被ばくのおもなリスクは、大気中の放射性物質の降下および海洋への直接放出により汚染された食物によるものである。陸地において、この放射線汚染の影響を最もうける食品としては、葉物野菜(茶葉も同様)、野菜由来のあらゆる食物、牧草や汚染された飼い葉を摂取する動物由来の乳である。現在、これらの食品の放射線汚染は、大体において減少している(特にヨウ素131によるもの)が、引き続き監視が必要である。海洋においては、放射線汚染が拡散することにより、それにさらされる動植物類が汚染される。福島第一原発の南にある漁港に水揚げされた魚のうち、数種(コウナゴ)において出荷許容量最大の25倍に当たる高濃度放射線核種が検出された。

一方、原発周辺20kmの緊急避難地域以外においても、福島県のいくつかの地域では、高い放射線が検出され、長期滞在の場合には、かなりの外部被ばくの可能性がある。

当然ながら、以下に挙げる勧告は、日本政府発布の指示実行の妨げになるものではない。これらの指示は、定期的に改訂され、日本厚生労働省のサイトにて入手可能である。

http://www.mhlw.go.jp/english/topics/2011/eq/index.html

1. 日本当局が施行した出荷規制についてのIRSNによる追跡調査

日本政府はおもな農作物の市場への出荷を制限したが、下の地図は、当時の制限の移り変わりを示したものである。(同じ色で示されている地域は、記載されている食物の出荷制限が同時期に行われていたことを示す。緑色の地域は、出荷制限が全く出なかった地域である)

おもな食物の、市場への出荷制限の移り変わり:牛乳、ほうれん草おもな食物の、市場への出荷制限の移り変わり:かぶ、キャベツおもな食物の、市場への出荷制限の移り変わり:ブロッコリー、カリフラワー、キノコ

おもな食物の、市場への出荷制限の移り変わり

2. 在日フランス人のための、食生活についての勧告

日本産の食物の検査結果では、食物汚染は明らかに減少し、出荷制限値を上回ることも減っては来ているが、福島第一原発事故の放射性物質降下に大きな影響を受けた県で生産された食物に関しては、要注意であると、IRSNはみている。

IRSNの勧告は以下の通り:

  • 生鮮物、特に葉物(ほうれん草、ハナワサキ、カキナ、小松菜、レタス、キク、キャベツ、白キャベツ、白菜、セロリ、ブロッコリ、パセリ)、キノコ、魚(特にコウナゴ)について、3月11日以降出荷基準値を超えた県(福島、栃木、茨城、宮城、群馬、埼玉、東京、神奈川、千葉)産のものは、現行の規制内であることを確認すること。
  • 生鮮物の産地不明、放射線情報がない場合、可能な限り、それら葉物、キノコ、魚の長期摂取を避けること。
  • これらの県産の生のタケノコ、シダ類(コゴミ)の摂取を避けること。
  • 産地不明、放射線情報がない場合、事故後に採取された茶葉を避けること。
  • 産地不明、放射線情報がない場合、福島県、宮城県で採れた牛乳を長期にわたって子どもに与えないこと。

食品監視の対象県

食品監視の対象県

調理用、加熱用に水道水を利用、摂取することについては、いかなる規制も検討対象ではない。

事故時に密閉状態で容器に保存されていた食品(缶詰、乾物、超高温殺菌乳、容器入りミネラルウオーター)は、問題なく消費できる。

例え許容値を若干上回っている食物をたまたま摂取した場合でも、健康に対する大きなリスクはないという点に留意すること。

3.放射性物質の堆積の影響を最も受けている地域へ向かう、または居住するフランス人へ向けた勧告

宮城、茨城、栃木そしてとりわけ福島の4県は、福島第一原発の事故による放射性物質の降下により、程度の差はあれ、相当の影響を受けたとIRSNでは見積もっている。これら4県は、下の地図に赤で示されている。

レジャー、観光目的での移動は控えるべき地域(赤)

レジャー、観光目的での移動は控えるべき地域(赤)

一般的に言って、IRSNでは、仕事や重要な個人的理由のために、宮城県、茨城県、栃木県に向かうことに、もはや支障はないとみているが、以下に述べる、これらの県在住のフランス人向けの勧告を実践するという条件つきである。だが、放射性物質の堆積による外部被ばく量が潜在的に低いとしても、無用に被ばく量を上げないためにも、レジャーや観光で、これらの3県への移動は控えるよう、IRSNは勧告している。

福島県の北半分、とりわけ原発から40km以内にある県の北西1/4地域には、相当量の放射性物質の堆積(放射性セシウム60万bq/m2以上)があるため、向かわないように強い勧告を出し続けている。この堆積量は、1年間に10mSvを超す外部被ばくを引き起こす可能性がある。これらの地域に、どうしても向かわなければならない場合、最低限の時間のみ滞在すること、この後に挙げる勧告を厳密に守ること、地域に向かうのは大人に限定することが望ましい。

いずれの場合でも、日本政府が住民の退去要請を出した地域については、その指示に従うことが不可欠である。これらの地域とは、地図にある通り、福島原発周辺20km圏および葛尾村、浪江町、飯舘村、川俣町、南相馬市を指す。

日本政府が、緊急避難(20km圏内)または計画的避難を決定した地域 (赤)

日本政府が、緊急避難(20km圏内)または計画的避難を決定した地域 (赤)

宮城県、福島県、茨城県、栃木県在住のフランス人については、日本政府の出す指示に従うことが適切である。いずれの場合でも、IRSNは次のことを勧告する:

  • 乳児、小さい子どもの食事の支度には、ボトル詰めされたミネラルウオーターを用いること。
  • 家庭菜園や親せきの家で採れた食物の摂取は、最大限避けること。
  • 果物、野菜は良く洗うこと。

IRSNは、建物内への汚染の持ち込みを抑えるために、家庭での衛生管理も奨励する。

  • 雨の時は、靴は外に置いておくこと。
  • 床は、ぬれた布で定期的に拭くこと。
  • 家具、ラグ、絨毯に定期的に掃除機をかけること(掃除機のごみ袋を定期的に変えること)。

容器入り液体せっけんで定期的に手を洗い、手から口へ意図せぬ汚染リスクを減らすことも望ましい。また、外遊びで、何度も地面や砂が小さい子どもの口に入らないようにすることも重要である。


※ この翻訳記事はTwitterでの呼びかけに応えて頂いた読者の方によって行われ、当ブログ運営者が校正を行ったものです(全ての文責は当ブログ運営者にあります)。ご協力に改めて感謝いたします。また、他の読者の方からも広くご協力を受け付けています。ご興味のある方はこちらの記事をお読みください。

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