「日本政府は原発運営企業を臨時的に国有化すべきである」、英エコノミスト11/5日付け記事全訳


日本の原子力の難問題
640億ドル=5兆円の問題
福島原発が収束したら、政府は原発運営企業を臨時的に国有化すべきである

TEPCO (AP)

出典:http://www.economist.com/node/21536600

「これは人類とテクノロジーの戦争だ。戦っている間に破産問題を話し合うべきではない。」と、3月11日の津波の後で福島第一原子力発電所の原子炉3基がメルトダウンした東京電力に対する、政府の第一次支援金5兆円(640億ドル)の発行を調整する担当官は述べた。

この支援には二つの正当な目的がある。まず、発電所から半径20km(12.5マイル)以内の住居を捨てて避難せざるを得なかった8万9千人に対する保証金を支払う補助となる。実際、中間地帯では農場の家畜と野生化した家禽が通りを歩き回っている(記事参照)。これは、また福島原発の完全停止のデッドラインである年末を前に、東電が債務超過で混乱に陥るのを防ぐ。

責任を曖昧にしてはならない

しかし目的は、より堅固で安全なエネルギー産業を打ち立てることであるべきだ。東電がまだ民間企業であり続けることが、その実行の深刻な障害となっている。政府は東電を国有化するために速やかに行動すべきで、臨時の国有化により、古い管理体制の一新とその監査が行える。その後に、徹底的に再構築された公益事業として、再度民間企業に戻すべきである。東電が国有化されるべき3つの理由がある。

第一に、国有化は企業の責任を問うための基礎となる。破壊的な地震と津波を予測できず、震災後の惨憺たる対応しか出来なかった東電は、その管理組織が殆ど以前と変わらず、株主と債権者は蚊帳の外のままである。東電に金を注ぎ込む事が、日本がこの核問題で混乱する理由となった原子力産業と政治的監督者たちの一種の共謀関係を暗示する。5兆円の資金は東電の手に渡るが、東電にはその金額を貸借対照表にローンとして記載する法的な義務もなく、また、どうして返済するかを述べる義務もない。現在のところ、株主でも債権者でもなく、納税者が全てのリスクを抱えることになる。

第二に、国有化を行うことで東電の財務的な再構築が安全だと確認することができる。東電は今後10年で2兆5千万億円のコストを削減すると合意したが、これにより安全面が犠牲になる可能性がある。既に、原発の作業者が穴の開いた長靴で放射性物質で汚染された汚水の中を歩いているという報告が上がっている。短期的には、運営者と監査機関の必要な区分けを再設定して東電を再度民間化する前に、政府が日々の作業の責任を負う主体となった方が、より安定した移行を行えるだろう。

第三に、国有化が行われれば、国家がこれ以上原子力産業に特別な支持を与えないという表明になる。介入が失敗すれば、いかに東電が、日本の他のエネルギー企業と同様に、政府を脅迫し続けているかということが強調されてしまう。言いなりのままに情報を伝えるメディアとサービスを水増し価格で売りつける巨大な企業にも後押しされて、原子力発電施設は巨大な政治力を帯びている。政府が東電の統制に失敗すれば、原子力エネルギーを巡る他の政策に対しても国民の信頼を失うことになるだろう。野田佳彦首相の約束した、現在殆どが停止している日本の54基の原子炉が安全に再運転できることを確認するための「ストレステスト」の実施についても同様である。

福島では汚染地区の広大な表土を除染する作業費も含めて、今後とも大量の資金が必要となるだろう。政府が東電の国有化に躊躇し続けるほど、コストは累積し政治的行動の勢いが弱まるだろう。福島の災害によって何万もの人が家を、職を、そして子供の健康に対する自信を失った。彼らの苦しみを無に帰しては成らない。


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